真っ白な被毛に黒く濡れた瞳、まるで天使のようなマルチーズ。
そんな愛らしい姿からは想像もつかないかもしれませんが、「うちのマルチーズが突然噛みつくようになった」「家族に唸って近づけない」という深刻な悩みを抱える飼い主さんが少なくありません。
小さいから、かわいいからと甘やかしてきた結果、気づけば手がつけられない状態になってしまう。
これはマルチーズ特有の問題ではなく、小型犬全般に見られる現象です。
マルチーズの凶暴化には、身体の痛みや病気といった医学的な原因から、社会化不足による恐怖、そして飼い主の間違った叱り方まで、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
噛み癖や攻撃行動を放置すれば、家族が怪我をするだけでなく、愛犬自身も常に不安と恐怖の中で生きることになってしまいます。
この記事では、マルチーズが凶暴化する本当の理由を科学的な根拠とともに解説し、今日から実践できる具体的な対策をお伝えします。
人気低迷の影に隠れた飼育の難しさ、気持ち悪いと言われる行動の背景、そして正しいしつけや叱り方まで、マルチーズを飼う上で知っておくべき注意点を網羅しました。
- マルチーズが凶暴化する5つの医学的・行動学的原因
- 噛みつく前に現れる警告サインの見分け方
- 凶暴化を防ぐための具体的な対策とトレーニング方法
- マルチーズを飼う前に知るべき本音と覚悟
マルチーズが凶暴化する5つの原因…なぜ天使が豹変するのか?
純白の被毛と愛らしい瞳を持つマルチーズが、なぜ飼い主に牙を剥くようになるのでしょうか。
実は凶暴化の背景には、見た目からは想像もつかない深刻な理由が隠れています。
| 凶暴化の原因 | 主な症状・サイン | 対処の緊急度 |
|---|---|---|
| 身体的な痛み(歯周病・関節炎) | 顔周りを触ると噛む、抱っこを嫌がる | ★★★(即受診) |
| 社会化不足による恐怖 | 知らない人や音に過剰反応、逃げ場がないと噛む | ★★☆(トレーニング必要) |
| 甘やかしによる主従逆転 | 要求吠え、唸っても許される環境 | ★★☆(習慣改善) |
| 体罰などの間違った叱り方 | 飼い主の手を見ると噛む、無言で攻撃 | ★★★(即中止) |
| 運動不足・分離不安 | 常に興奮、留守番後に攻撃的 | ★☆☆(環境改善) |
原因①身体のどこかが痛い…病気や怪我のサイン
攻撃行動を示す犬を見たとき、多くの飼い主は「しつけの問題」だと考えます。
しかし獣医師がまず疑うのは「身体のどこかに痛みがあるのではないか」という点です。
痛みは動物の我慢の限界点を劇的に低下させます。
いつもは穏やかな犬でも、患部に触れられる恐怖から反射的に噛みついてしまうのです。
歯周病が引き起こす顔周りの攻撃性
小型犬であるマルチーズは、口の大きさに対して歯のサイズが大きく、歯列が過密状態になりやすい解剖学的特徴を持っています。
コーネル大学獣医学部によると、3歳以上の犬の80%以上が何らかの歯周病を抱えているとされています。
歯周病は単なる口臭の問題ではありません。
歯茎の炎症、歯槽骨の溶解に伴う慢性的な鈍痛、そして急性期には激痛を伴います。
痛みが常態化している犬にとって、飼い主が目やにを取ろうとしたり、顔周りの被毛をとかそうとする行為は、患部に触れられる恐怖を刺激する脅威となるのです。
以下のようなサインが見られる場合、歯周病による痛みが攻撃性の原因かもしれません。
- 硬いおもちゃやガムを噛まなくなった
- 食事中に食べこぼす、または食べるのに時間がかかる
- 顔に手が近づくと反射的に噛みつく
- 口臭が強くなった(腐敗臭)
このような症状がある場合、攻撃行動の改善にはトレーナーではなく、獣医師による歯科処置が最優先となります。
痛みが除去されるだけで、攻撃性が消失する事例は数多く報告されています。
膝蓋骨脱臼と関節炎による防衛的攻撃
マルチーズに極めて多い遺伝的・発育的疾患として、膝蓋骨脱臼(パテラ)が挙げられます。
膝のお皿が外れる、あるいは外れそうになる瞬間の痛みは鋭利です。
飼い主が愛犬を抱き上げようと脇に手を入れた瞬間、あるいは抱っこから降ろそうとした瞬間に関節に負荷がかかり激痛が走る。
犬は「抱き上げられる=痛いことが起こる」と学習し、飼い主が手を伸ばしただけで先制攻撃を仕掛けるようになります。
これを「ハンドリング・アグレッション」と呼びます。
また、加齢に伴う変形性関節症も慢性痛を引き起こします。
寝ている場所から移動させられそうになった時や、段差の昇り降りで補助しようとした時に噛むのは、わがままではなく身体を守るための正当防衛である可能性が高いのです。
甲状腺機能低下症と「理由なき凶暴化」
マルチーズは甲状腺機能低下症の好発犬種の一つです。
甲状腺ホルモンの低下は、代謝機能のみならず脳機能にも甚大な影響を及ぼします。
具体的には、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の代謝を変化させ、不安、恐怖、そして攻撃性を引き起こすことが知られています。
典型的な症状(肥満、左右対称の脱毛、嗜眠)が現れる前の段階で、行動の変化だけが先行して現れるケースがあります。
「突然、何もない空間を凝視して唸る」「昨日まで仲の良かった同居犬を突然襲う」といった脈絡のない攻撃性が見られる場合、甲状腺パネル検査を含む完全な血液検査が必須です。
原因②社会化不足…子犬時代の失敗が招く恐怖
攻撃行動の多くは、「強さ」からではなく「弱さ(恐怖)」から生まれます。
特に現代の日本におけるペット流通システムは、構造的に恐怖を感じやすい脳を持つ犬を量産している可能性が指摘されています。
決定的な「社会化期」の欠落
犬の脳が外界の刺激を「安全で当たり前のもの」として受け入れる柔軟な時期は、生後3週から12週(~14週)頃までとされる「社会化期」に限定されます。
この時期に適切な刺激に暴露されなかった犬は、未知のものに対して好奇心ではなく恐怖を抱くようになります。
チャイムの音、散歩ですれ違う子供、宅配便のドライバーなど、日常のあらゆる刺激が恐怖の対象となり、逃げ場がないと感じた瞬間に「噛む」という選択肢をとるのです。
パピーミル(子犬工場)の呪縛
ペットショップで展示販売される多くの子犬は、パピーミルと呼ばれる大量繁殖施設で生産されている現実があります。
妊娠中の母犬が受ける過密飼育、騒音、栄養不足などの極度のストレスは、胎児の脳の発達に影響を与えます。
さらに、生後間もない時期に母犬から早期に引き離され、オークション会場や輸送トラックなどの過酷な環境に置かれることで、ストレス反応を司る「HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)」が恒常的に過敏な状態となります。
スコットランドSPCAとグラスゴー大学の研究(2018年)では、パピーミル出身の犬は、そうでないブリーダー出身の犬と比較して、以下の行動問題のリスクが有意に高いことが示されています。
| 行動問題の種類 | リスクの増加率 |
|---|---|
| 飼い主への攻撃性 | +92% |
| 見知らぬ人への攻撃性 | +87% |
| 他の犬への攻撃性 | +61% |
| 非社会的な恐怖(音など) | +149% |
これらのデータは、パピーミル出身のマルチーズが、遺伝的・発生学的に攻撃的になりやすい(恐怖を感じやすい)脳を持っている可能性が高いことを示唆しています。
これは飼い主の育て方の責任を超えた、生物学的なハンディキャップなのです。
原因③甘やかしすぎた…主従関係の逆転
小型犬が飼い主に飛びついたり、唸ったり、甘噛みをしたりしても、大型犬のような物理的脅威(怪我や転倒)がないため、飼い主はこれらを「可愛い」「元気がある」と解釈しがちです。
しかしこれこそが、マルチーズの凶暴化を招く最大の落とし穴です。
「小ささ」ゆえの無意識の強化
以下のような誤った対応をしていませんか?
- 他犬に吠えかかった時:「大丈夫よ」と声をかけて抱き上げる
→ 犬の解釈:「吠えたら抱っこしてもらえた(報酬)」「飼い主もあの犬を警戒している(同調)」 - おやつをねらって飛びつく:おやつを与える
→ 犬の解釈:「暴れれば要求が通る」 - 気に入らないことがあって唸った時:笑ってなだめる
→ 犬の解釈:「唸れば嫌なことを回避できる」
このように、飼い主が意図せずに攻撃的・要求的な行動を強化(Reinforcement)してしまうことで、犬は「自分はこの群れ(家族)のコントロール権を持っている」あるいは「暴力を振るわないと自分の身を守れない」と学習してしまいます。
マルチーズの気質的特徴:警戒心と独立心
マルチーズは愛玩犬としての歴史が長いですが、そのルーツにはネズミ捕りなどの作業を行っていたテリア種に近い性質も含まれているとされる説もあります。
高い警戒心を持ち、聴覚が鋭敏で、ドアの向こうの物音や気配に敏感に反応し、番犬のように吠え立てます。
また、基本的には甘えん坊で飼い主に依存しますが、一方で「自分のペース」を乱されることを極端に嫌う個体が多いのも特徴です。
眠い時や気が乗らない時に触られると、突如として激怒する「フリップスイッチ」のような気質を持つことがあります。
これは支配欲ではなく、自分より遥かに巨大な人間や大型犬に囲まれた環境で、常に踏み潰される恐怖を感じているための生存戦略なのです。
原因④間違った叱り方…恐怖が攻撃性を生む
「犬が悪いことをしたらマズルを掴んで叱る」「仰向けにして押さえつける(アルファロール)」といった昭和時代のしつけ、あるいはテレビ番組で見かける劇的な「服従訓練」は、現代の獣医行動学では禁忌とされています。
体罰と対立的指導の科学的害悪
恐怖を感じている犬に対し、逃げ場を奪って物理的な苦痛や圧力を与えると、犬の脳は「闘争・逃走反応(Fight or Flight)」の「闘争」を選択せざるを得なくなります。
これを「恐怖性攻撃(Fear-based Aggression)」と呼びます。
飼い主の手が近づくことが「痛み・拘束」の予兆となり、犬は自分の身を守るために、飼い主の手を見た瞬間に本気で噛みつくようになります。
研究によると、対立的なしつけ(叩く、怒鳴る、マズルを掴む、アルファロール)を行った場合、少なくとも25%以上の犬が攻撃的な反応を返したというデータがあります(Herron et al., 2009)。
唸りは「警告」:安全装置を外す行為
「飼い主に向かって唸るとは何事か」と、唸った瞬間に叱りつける飼い主がいます。
これは、火災報知器がうるさいからと言って、配線を切るような行為です。
唸りは「これ以上近づかないで。噛みたくないから」という犬からの紳士的な警告なのです。
これを罰によって封じ込めると、犬は「唸る」という警告ステップを省略し、いきなり「無言で本気噛み」をするようになります。
これが最も危険な「時限爆弾」の状態です。
原因⑤ストレスの蓄積…限界を超えたマルチーズ
「運動不足の犬は、エネルギーを持て余した爆弾である」と言われます。
マルチーズの運動ニーズは過小評価されがちですが、室内を歩くだけでは不十分です。
必要な運動量の目安
| 項目 | 具体的な目安 | 目的・効果 |
|---|---|---|
| 散歩の頻度 | 1日2回 | 排泄のみならず、気分のリフレッシュ |
| 時間・距離 | 1回20分~30分(1~2km) | 心肺機能の維持、エネルギーの発散 |
| 質の確保 | 匂い嗅ぎ(スニフィング)を許容 | 脳への刺激、精神的な満足感を得て神経質さを緩和 |
分離不安と攻撃性
飼い主への依存度が高いマルチーズは、分離不安になりやすい傾向があります。
飼い主の姿が見えなくなると極度のパニックに陥り、それを阻止しようとして攻撃(出口で立ちはだかる、靴を噛む)、あるいは帰宅時の興奮が攻撃に転化する「転位行動」が起こります。
対策としては、外出・帰宅時の挨拶を淡々と行い興奮させないこと、留守番中に長く楽しめる知育玩具を与えること、そして普段から「飼い主がいなくても平気」な時間を少しずつ作ることが重要です。
マルチーズに噛まれる前に気づくべき警告サイン
犬の攻撃行動は突然発生するものではありません。
微細なサインから始まり、徐々にエスカレートしていきます。
これを「攻撃のはしご(Ladder of Aggression)」と呼びます。
| 段階 | 行動サイン | 犬の心理状態 | 飼い主のすべき対応 |
|---|---|---|---|
| 1. 鎮静 | あくび、鼻を舐める、瞬き、視線を逸らす | 「落ち着いて」「争いたくない」「不安だ」 | 直ちに介入をやめる。犬にスペースを与える |
| 2. 回避 | 顔を背ける、体を低くする、耳を伏せる、逃げる | 「怖い」「ここから出たい」 | 追いかけない。無理に触らない |
| 3. 警告(軽) | 硬直(フリーズ)、白目が見える(ホエールアイ) | 「これ以上近づくな」「準備はできている」 | 完全に停止する。目を合わせず横を向く |
| 4. 警告(重) | 唇をめくる、歯を見せる、低く唸る | 「今すぐやめないと噛むぞ」 | 手を出さない。叱らない。静かに下がる |
| 5. 攻撃(試行) | 空噛み(スナップ)、マズルパンチ | 「警告だ」「当たらないように噛んだ」 | 専門家の介入が必須 |
| 6. 攻撃(実行) | 浅い噛みつき、抑制のない本気噛み、連続攻撃 | 「排除する」「殺傷する」 | 物理的隔離。生命の危険 |
レベル1:唸る・歯を見せる…まだ間に合う段階
この段階では、犬はまだ「争いたくない」と考えています。
低く唸る、歯を見せる、体を硬直させるといった行動は、「これ以上近づかないでほしい」という明確なメッセージです。
このサインを見たら、直ちに行動を中止し、犬にスペースを与えてください。
絶対にこの段階で叱ってはいけません。叱ることで、犬は警告を出すことをやめ、次回からいきなり本気噛みをするようになります。
レベル2:本気で噛みつく…流血を伴う攻撃
遊び噛みと本気噛みの違いを理解することは非常に重要です。
| 項目 | 遊び噛み | 本気噛み(攻撃) |
|---|---|---|
| 表情 | 目が笑っている、口元が緩んでいる | 目が見開かれている、または一点凝視。口元に皺 |
| 唸り声 | 高い声、変化がある、プレイバウを伴う | 低く喉の奥から響く声、または無言 |
| 噛む強さ | 抑制されている(甘噛み)。皮膚に穴は開かない | 抑制がない。あざ、裂傷、穿孔傷ができる |
| 体の緊張 | リラックスして動き回る | 全身が硬直している、または瞬発的に動く |
| 状況 | 遊んでいる最中、興奮した時 | 資源(食事・おもちゃ)を守る時、触られた時、嫌なことをされた時 |
本気噛みが起きた場合、家族の特定の人物だけを標的にする、散歩中に他犬や通行人に突進するといった行動が見られます。
この段階では、専門家(獣医行動診療科、ドッグトレーナー)の介入が必須です。
レベル3:常時攻撃的…手に負えない状態
触ろうとするだけで噛みつく、ケージから出せない、家族全員が恐怖を感じているという状態は、既に深刻な段階です。
「たかがマルチーズ」と侮ってはいけません。
以下のケースでは、致死的な事故に繋がるリスクがあります。
- 対乳幼児:頭蓋骨が薄く、首が短い乳児に対し、興奮したマルチーズが咬みつけば、頸動脈損傷や頭蓋骨へのダメージで死亡するリスクがあります
- 対高齢者:皮膚が脆弱な高齢者が噛まれた場合、皮膚剥離や、傷口からの細菌感染による敗血症で死亡する例があります
- 対同居犬(特に小型犬):興奮状態のマルチーズが、同居のチワワやヨーキーの首元を執拗に攻撃し、失血死させる事例が存在します
マルチーズの凶暴化を防ぐ対策…今日からできること
根性論や愛情論では、脳の構造的な恐怖や学習された攻撃性は治せません。
行動療法と環境管理の二本柱で対処していきましょう。
対策①まずは動物病院へ…身体的原因を排除
攻撃行動が見られたら、まずはかかりつけ医で身体的疾患を除外することが最優先です。
痛みや病気が原因であれば、いくらトレーニングをしても効果はありません。
健康診断で痛みの原因を特定し、歯科処置や関節治療を行ってください。
高齢犬の場合は認知機能不全の可能性も検討し、ホルモン異常(甲状腺機能)のチェックも忘れずに行いましょう。
もし行動面での専門的な診断が必要な場合は、獣医行動診療科の認定医を受診してください。
脳内のセロトニン濃度を調整するSSRI(フルオキセチン等)や抗不安薬を使用することで、パニック状態の脳を「学習できる状態」に落ち着かせることができます。
これは性格を変えるのではなく、脳の機能不全を補正する治療です。
対策②一貫したルールを家族全員で守る
「ダメなものはダメ」を徹底してください。
要求吠えには絶対に応じない、家族間でルールを統一することが重要です。
お父さんは許すけどお母さんは叱る、というような一貫性のない対応は、犬を混乱させ、攻撃性を悪化させます。
家族全員が同じ基準で接するようにしましょう。
対策③正しい叱り方…恐怖ではなく理解させる
恐怖性攻撃を克服する唯一の科学的トレーニング法は、「系統的脱感作と拮抗条件づけ(DSCC)」です。
系統的脱感作(Systematic Desensitization)
犬が恐怖や攻撃反応を示さない「弱いレベル」の刺激から始め、徐々に慣らしていきます。
例:ブラシを見ると噛む場合 → ブラシを部屋の隅(5メートル先)に置いておくだけ。犬が気にしていない状態を作ります。
拮抗条件づけ(Counter-Conditioning)
嫌悪刺激(怖いもの)が出現すると同時に、無条件に嬉しいこと(最高級のおやつ)を与えます。
「怖いもの=おやつが出る合図」と感情を書き換えます。
実践:ブラシを見せる(刺激)→ 直後に鶏肉を与える(報酬)。ブラシを隠す → おやつ終了。これを何百回と繰り返すことで、ブラシを見た瞬間に「おやつだ!」と喜ぶ脳回路を作ります。
「無視」が最も効果的な理由
悪い行動に対しては、叩いたり怒鳴ったりせず、完全に無視してください。
犬は飼い主の注目(たとえ叱られることでも)を報酬と感じることがあります。
悪い行動を無視し、良い行動をした時だけ褒めることで、犬は「こうすれば良いことがある」と学習します。
叱る場合は、低い声で短く「ダメ」と伝え、タイミングが命です。
現行犯で叱ることが重要で、時間が経ってから叱っても犬は理解できません。
対策④適切な運動とストレス発散
1日2回の散歩(各20分以上)を習慣にしてください。
散歩は排泄だけでなく、気分転換と社会性の維持に不可欠です。
散歩中は匂い嗅ぎ(スニフィング)を許容してあげましょう。
匂いを嗅ぐ行為は犬にとって脳への刺激となり、精神的な満足感を得られます。
また、知育玩具で頭を使わせることも効果的です。
ただし、べったりしすぎも逆効果です。
犬には独りの時間も必要で、常に飼い主と一緒にいる状態は分離不安を悪化させます。
対策⑤プロの力を借りる覚悟…手遅れになる前に
自力での解決が困難な場合、プロのドッグトレーナーや獣医行動診療科医に依頼してください。
費用相場(日本国内)の目安は以下の通りです。
- 出張トレーニング/カウンセリング:1回 5,000円~10,000円程度
- 獣医行動診療科:初診 15,000円~30,000円(検査費別)
これを高いと感じるか、家族の安全と愛犬の命を守るための必要経費と捉えるかが、分岐点となります。
また、噛まれるリスクがある以上、マズル(口輪)は必須の安全装置です。
無理やり装着すると「罰」になるため、おやつを使って「魔法の帽子」として慣らしていく必要があります。
マズルトレーニングの具体的な手順については、専門家の指導を受けることをお勧めします。


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